雲が流れるように

時間は過ぎていく。


逆らうことなく


抗うことなく


といって希望に満ちた明日があるわけではなく


定められた寿命をただ淡々といきている。


主人が亡くなってこんなに生きる張り合いがなくなるとは思わなかった。


八月は三回忌


まだ二年しかたってないのかと思うし


もう二年も経つのかと思う時もある。


色褪せた日常は不確かで心もとない。


こんな気持ち何年たったら楽になるのかな。


この頃、歌を聞いて涙を流せるようになった。


検索すると大抵残された人の心を歌っているのが多いが


旅立つ側の気持ちを歌ったのを見つけた。


最期の川


歌詞のなかに


幸せだった?なんて聞かないでくれ愛しき人

胸に抱き締めて

僕が聞きたいよ

君がしあわせだったか?


あの人もそう思っていたのかな

そう思っていて欲しいと思った。


この歌はそういう言葉がたくさんちりばめられて


いる歌だった。


歌ってすごいなあと思った。


少しずつ、立ち直っていけるといいのだけど。



夫婦って不思議ね。


長く連れ添えば添うほど


親以上のいなくなった悲しみ、切なさ、辛さがある。


元は他人同士だったのにね。


特別仲良くしていたわけでもないのにね。


どちらかと言うと喧嘩ばかりしていたし


不平不満ばかり言っていた。


生きているときには自分にとってこんな大きな存在とは


思いもしなかった。


こんなダメージを受けるとは思わなかった。


そんなこといなくなってから気づかされたりしながら


ゆっくりゆっくり雲が流れるように静かに時間は過ぎていく。